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松尾流のご紹介

家元からのご挨拶

巻頭言

松尾流の特徴

松尾流の歴史

家元対談




若い人に伝えていきたい


松尾 畳のない家も増えましたし、いまの若い人はお湯はポットで沸かすと思っているような時代です。
 昔の人なら何も言わなくても解かったのですが、いまは教えてあげないと解からない。もっと見なければならないことや感じなければならないことがあることを若い人に伝えていくのも我々の仕事だと思っています。
 篠田 だからこそ宗匠やお茶の先生方の仕事は大切なんですね。私はいまの子もまんざらじゃないと思っているんですよ。というのは、教えてあげれば理解して、そのことをやろうと努力します。例えば菓銘の由来を話すと、いままでは何でもなかったお菓子が違ったふうに感じられます。そしてそのことを教えてあげると、さらに興味を持ってより深く知ろうとするように思います。
 松尾 我々はそれを茶席に出して、道具の組みかたなどと共に楽しむわけです。
 篠田 職人には特にお茶のお菓子は一段と難しい。お菓子はあくまでもお茶を引き立てる立場にありますが、お菓子として役割を果たさなければなりません。
 たとえば何かお茶会があるときにこんなお菓子が欲しいと教えていただくと、それをどううまく表現するかは職人の能力と技術力にかかっています。それだけにやり甲斐があり、また難しいわけです。
 南山大学のクリスマス茶会のときに作ったベルやツリーのお菓子を宗匠に褒めていただいたことで、職人さんたちは一歩進み、自信につながりました。


 松尾 皆さんにもとても好評でした。素材や味に関しては我々は素人なので、いい加減なところがありますが、形とか色は直に感性に訴えて来ますから、もっと工夫があってもいいんじゃないかとはずっと思っていました。ある程度お茶をやっていれば、例えば色だけでもお菓子が訴えているものは感じられるわけですが、一般のお客様にはなかなか解かりにくいですよね。
 篠田 特にお茶会のお菓子においてはあまりにも直接的な形では自分で想像して楽しむことができなくなってしまいます。
  

 クリスマスは、まあクリスマスなんだからいいじゃないかと思うところがあります。
 しかしながら、そういう感覚を持ってみえる宗匠が菓子屋に助言していただくと、一歩前へ出られるように思います。この色じゃ駄目だ、この形では気に入らないと、どんどん言っていただいて、お好みのお菓子を宗匠と一緒に作らせていただいたら素晴らしいなと思います。
 松尾 お茶の世界でも変えていくのは難しいことで、変えられないこともたくさんあります。しかし基本的にはどういう場所で、どういう服装で、何を使ってお茶を点ててもお茶だと思います。だけど越えてはいけない枠があって、そのギリギリのところが楽しいということはあります。例えばお茶を知らない方々を招いての会では「こんなに気軽でいいの」と言われることもあって、そのギリギリが楽しい。その枠は色々あって、TPOに合ったお茶はこれからも試行錯誤を続けたいと思っています。が、同時にきちんとしたお茶はもちろん守っていきます。
 篠田 スポーツでも何でも、その時代によって、ルールも少しずつ変化していきますよね。昔は椅子に座ってのお茶もなかった。いまは畳のない生活になって、むしろ畳に座るのを新鮮に思うような時代になって来ました。
 松尾 これも時代かなと思うことは他にもあります。例えばお茶事の時、「どうぞお楽に」という意味で莨盆を出しますが、いまの社会では禁煙が普通で、どういうタイミングで出せばいいのだろうとか、出してはいけないのかなと考えたりしますね。
 それから気持ちはあっても、高齢で膝が痛くて正座がきついといった問題も生じます。この場合は座りたいと思っていてもできないわけですから、まったく知らないのとは意味が違います。若い人に教えるのに、そのあたりのことをどううまく伝えるかです。
ーー両口屋と松尾流が中心になって、もっと茶道のよさをアピールしていってはどうでしょうか。
 篠田 私共も松尾さんも名古屋に基盤を置いています。お互いに提案しあって、ぜひ発信していきたいと思っています。例えば海外に出店して、単に和菓子の販売だけでなく、茶道という日本の文化を一緒に持って行くといったことも考えられます。そこまで行く前に、東京でそういうことをすることもできます。宗匠の斬新な提案による茶会などもいいのではないでしょうか。
 松尾 1人では限界がありますから、お茶とお菓子が協力しあって社会に発信していくといいかもしれませんね。今後ともよろしくお願いします。

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